東京家出×写ルンです24
再び東京駅。着いてからも移動がひと仕事だ。
歩き疲れてまた銀の鈴の椅子でしばらくぼんやりする。
18:00を過ぎ、お腹が空いている。
晩ごはんぐらいはいいものを食べてしまおうと、ラーメンストリートの六厘舎へ行くことにする。
どうせ夜行バスの23:20まで時間はあるし、他にどこかへ行く気力もない。
並んで待って時間をつぶすのもいい。
立って並ぶために30分くらい座って休んだ。
18:40ごろから移動して、つけ麺を食べ始めたのは20:00を過ぎていたから、
疲れている割には結構並んだほうだ。
行列を見て道をゆく人々は「すごいね」の連発だった。
私も普段だったら並んでまで食べたいと思わないし、その列を見る側の人間だ。
並んでいる間は足が限界に来ていて、早く座りたいという一心で、時間がとにかく過ぎて列が進むのを待っていた。
入口で商品の説明を一通り受け、950円の食券を買う。
この旅で一番の贅沢だ。
食券を買うと、カウンターに通された。
つけ麺はあつ盛りが好きだ。作っている様子をじっと見ながら待つ。
麺をゆでる人の仕事が一番力仕事っぽく見えた。
大きなザルに入れて、思い切り水切りをしている。
腕が抜けて飛んでいきそうな勢いだ。
しかし、店員さんの「よろこんで」の声に覇気が全くない。
忙しすぎてもう疲れているのか、もともとこのテンションなのか…
途切れないお客さんてどんな感じなんだろう、やっぱり疲れてるんだろうな。
どんどんつけ麺が出ていくのをぼんやり眺めて、
「おなかすいた…」とひたすら心の中で呪文のように繰り返していた。
座れて安心したとたん、これなので、
もう、家を飛び出した時の気持ちとかどうでも良くなっていた。
自分が誰であってもお腹は空く。
これ食べて帰る。
まだ家に帰りたいって気持ちにはならないけど…
ああ…早くつけ麺食べたい…
つけ麺、つけ麺、つけ麺…頭の中はつけ麺。
lomomaria-m a r i @ l i t e .