東京家出×写ルンです08

有楽町のビックカメラの地下の売り場に、開店と同時に流れ込む。

地下の階にレンズ付きフィルムのコーナーがあった。

フジの「写ルンです」数種類と、コダックの「スナップキッズ」が目に入る。

今日の曇り空を思い、フィルムの感度を考えてみた。

この手のカメラは感度が高くても、少し暗いところや室内はフラッシュないとそんなには写らないんです。

ISO1600の写ルンですが1000円近く。

スナップキッズはISO800で少し安い。

コンビニで1000円は出せないから、と諦めたことを思い出す。

迷った結果、普通の写ルンですにこだわることにした。

悩んだ時には何かしらの理由が必要だ。

ISO400の写ルンですCOLORS。

青いパッケージとピンクのパッケージがある。39枚撮りと27枚撮りの違いらしい。

欲張って39枚撮りを選んだ。590円。

ファインダーの右でにっこりウインクをするイラストが書かれた、青い写ルンですを手に心が生き返る。

あんなに頭がぼんやりしてどうしようもなかった自分に、ひとつ目的ができたのだ。

フリーマーケットの会場へ戻る。準備が整い、人が集まっている。

にぎわっている風景を切り取るようにシャッターを押す。

昨日からずっと苦しかった呼吸が楽になった。

そして、息をするように、何回かシャッターを押すのとフィルムを巻き取る動作を繰り返す。

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