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lomomaria's photograph

東京家出×写ルンです28

どこへでも行けるという不自由を抱えて心は自分を縛った。 どこへでも旅立てる土地で思い知った閉塞感。 情報が多すぎて、目の前が曇り切った自分には何も理解できなかった。 迷いばかりで行き先が見えないまま彷徨った。 普段の自分が持つツールを手放して…

東京家出×写ルンです27

こんなこと誰かに話す必要もないし、この先の自分がまだどうなるか分からないから、 せめて書いて残しておこうと思ったまでで、ちょっとした暇つぶしだ。 もう何もしたくない自分が今したいこと。 心が壊れても思考が停止してもやりたいことはどんどん出てく…

東京家出×写ルンです26

夜行バスまでの時間はまた八重洲口のマクドナルドでぼんやりしようと決めていた。 その前に、八重洲地下街のほうまで歩いて、腹ごなしをする。 クリエの横のトイレが空いていて穴場だ。 マクドナルドではバナナシェイクSを注文した。 100円だと思っていたら1…

東京家出×写ルンです25

店員さんには「女性には少なめの200gもできます」と言われたのが気になりつつ、300gのつけ麺を頼んでいた。 麺…多いわ。思ったより多い。 いつもほかの店のつけ麺だと並盛では物足りないのに。 ここの麺は太くてかためで、よく噛んで食べないと、昨日から…

東京家出×写ルンです24

再び東京駅。着いてからも移動がひと仕事だ。 歩き疲れてまた銀の鈴の椅子でしばらくぼんやりする。 18:00を過ぎ、お腹が空いている。 晩ごはんぐらいはいいものを食べてしまおうと、ラーメンストリートの六厘舎へ行くことにする。 どうせ夜行バスの23:20…

東京家出×写ルンです23

座って休んでいる時に、今日は17時からスカイツリーのライトアップがあるとアナウンスがあったのを思い出して、見てみようかと思う。 せっかくなら点灯の瞬間を見るのも記念になるじゃないか…と。 オリンピックだからパラリンピックだかの限定ライトアップな…

東京家出×写ルンです22

スカイツリーは、入口で人だかり。中に入っても人だかり。 場所の広さも、人の数も、スケールがデカすぎてよく分からない。 この人の多さ…いつもならうんざりしてしまうけど、誰でもない自分でいたい気分の私には、その大勢の中のひとり、でいることにとても…

東京家出×写ルンです21

急におなかが痛くなるという事態に大慌て。 まさか、こんなところで、こんなことになるなんて…!! 波のある痛みを押さえつつ、何とか収まるように祈る。 しかし、このままでは時間の問題である。 …どうしよう。 というところで、目の前に素晴らしいタイミン…

東京家出×写ルンです20

東京駅からスカイツリーの最寄り駅…錦糸町駅までは区間はそんなになく、値段も安い。 だけど、東京駅のどこからその電車に乗れるのかがよく分からず、案内図を何度も見た。 見てもよく分からない。 丸の内中央口の近くに、総武線乗り換えのための地下へ続く…

東京家出×写ルンです19

歩いているうちに「もういいだろう、十分だろう」と冷静な気持ちが戻ってきた。 半日だけでこんなにしんどいなんて。 それに、こんな行き当たりばったりの無計画な家出は無謀すぎたし、やっぱりバカバカしい。 知らない場所での自分には、こんなにも行動力が…

東京家出×写ルンです18

これからどこ行こう。 こんな時はいつも行くような場所には絶対行きたくないから、余計にどこに行ったらいいのか、全く思いつかない。 しかも、こんな気分で行ったことない場所なんかに興味が持てるわけない。 午前中に歩き回ったので、だいぶ足も体も疲れて…

東京家出×写ルンです17

駅舎を撮りに東京駅へ戻ることにする。しかし外はもうずいぶんと暗い。 行きに通りかかって気になっていた大きな高架下や、黄色いはとバスも撮る。 東京駅に着くと、目にしたものを次々と撮った。 丸の内北口の外観。 フラッシュを使っても明るさは微妙だっ…

東京家出×写ルンです16

日比谷公園から同じ道を戻り、また東京国際フォーラムに戻ってきてしまった。 この建物を中から眺めていたかったからだ。 というのは、言い訳だ。 公園をうろつくだけでも消耗して、もう新しい場所へ行く気力がなかった。 ロビーの、革張りの座り心地のいい…

東京家出×写ルンです15

十分休むことはできたので、この公園を離れることにした。 せっかくなので、来た時に気になったいくつかの場所を写ルンですで切り取る。 最初に見た池も、戻り際に撮る。 人通りが多く、先ほどの老人との会話で他人に対して自意識過剰になっていて、 撮影す…

東京家出×写ルンです14

曇っているのにビルの窓には青空みたいなブルーが映っていた。 心の色は、写真に残るだろうか… シャッターを押してみる。 どんよりと曇った空を眺めて、ベンチに座ったまま、この先、本当にどーすんだよ…と、またもやぼんやりする。 手に持った十六茶を飲み…

東京家出×写ルンです13

豚をすっかり満喫して、さらに奥へ目をやると、ナマハゲがあらわれた! 子どもたちが寄っていくと、怖い声を出しておどかせるから、子どもはたちまち泣いてしまう。 テレビでそんな光景をいつも見てて、まさか、と思っていたけど、こんなにシンプルなことで…

東京家出×写ルンです12

今までのブースよりも広い場所に人が行列になり、オレンジ色のTシャツを着た人がエコバックを配っている。 大当たり!! エコバックをゲットした!! このブースでは、豚肉を無料で配布しているらしい。 アンケートに答えると、2種類の豚肉のしゃぶしゃぶが…

東京家出×写ルンです11

自分のテンションと真逆の、ニコニコした人たちが沢山いる。 活気のある雰囲気だ。 地方の特産品をアピールする人たちが、いろんなものを渡そうとしてくる。 チラシばかり… …いや、いらないし。 ステージでは、ダイナミックなのかどうなのかもよくわからない…

東京家出×写ルンです10

日比谷公園の小さな入口に到着した。 先に進む前に看板の写真を撮る。もう、ただの記念写真だ。 緑に囲まれて、少しホッとする。 小さな池の周りには11月だというのに、地面に色とりどりの花が咲いていた。 小さな池に似合う小さな花ばかりで決して見た目の…

東京家出×写ルンです09

国際フォーラムでひと通り写真を撮ったので、場所を移動することにした。 朝、大きな道の看板を見て発見した日比谷公園。 公園ならぼんやりして座ってたりしても、ずっといても怪しまれなさそうという理由で、あとから行こうと決めていた場所だ。 とはいえ、…

東京家出×写ルンです08

有楽町のビックカメラの地下の売り場に、開店と同時に流れ込む。 地下の階にレンズ付きフィルムのコーナーがあった。 フジの「写ルンです」数種類と、コダックの「スナップキッズ」が目に入る。 今日の曇り空を思い、フィルムの感度を考えてみた。 この手の…

東京家出×写ルンです07

東京駅から歩いてすぐ…と言ってもいいくらいの距離で東京国際フォーラムが見えてきた。 前にもこのあたりには友達と一緒に来たことがある。 建築物のデザインはずっと眺めていたいカッコ良さ。 歩いているだけでも気持ちのいい木の多いスペースを進むと、 フ…

東京家出×写ルンです06

広く長い高架下を歩いているうちに、この風景を切り取りたい、という気持ちが湧いてきた。 それはもう、普段の生活の中で当たり前のように行いすぎていて、脳に焼き付いた癖のようなものだ。 やっぱり写真撮りたいな。 家出してきた人間に記録なんて必要ない…

東京家出×写ルンです05

高架下をひたすら歩く。 どこを歩いていてもこんなに人が沢山いるのに、 私を私として必要としてくれる人はどこにもいない。 そこに紛れようとする意味を探すことこそ無意味なのに、 私には理由が必要だった。 言い訳のための言葉が必要だった。 自分の中で…

東京家出×写ルンです04

この先、どこに行こうか悩みつつもとりあえず今歩いている道に沿って進む。 東京に知り合いがいないわけでもない。 だけど、誰でもない自分になりたい今の私が、自分を知る人間になど会いたいわけもない。 それに、こんな馬鹿げたことをしてるなんて言ったら…

東京家出×写ルンです03

今まで何度も来ている東京駅だけど、いつも夜行バスで早朝か深夜にちらっと寄るだけで、知らない場所もまだまだ沢山ある。 ちょうど改修された駅舎が話題になっていて、まだ見たことがなかったから気になっていた。 時間は余るほどある。せっかくだから、見…

東京家出×写ルンです02

自分が誰かである必要がない場所に行きたかった。 自分が誰であるか考えたくなかった。 とにかく、人が多くいる場所へ行けば、こんな私が一人くらい紛れてもいいだろう、と選んだのが東京だった。 名古屋駅で夜行バスを確保し、マクドナルドでぼんやり。 本…

東京家出×写ルンです01

2012年11月、日常生活であらゆる壁にぶつかっていた。 家にいたくなかった、もはや自分ですらいたくなかった。 何もかもを捨てたかった。 衝動的に逃げるような思いで、携帯電話も自分の身分を証明するものも一切持たずに家を出た。 夜行バスに飛び乗って向…